教えて!ストックオプションて何ですか?

2019 / 04 / 30

起業・創業を支援する品川区の税理士・ベンチャー支援税理士法人が創業した社長のよくある相談をお答え致します。

今回の相談は、「ストックオプションて何ですか?」です。

Q 会社経営者の社長から次のような相談を受けました。

 
創業して1年目のため働いてもらっている内容に見合う対価を支払えていないのが現状です。

ほぼボランティアに近い状況が現状で、将来の成長した際に何か見返りができないかと思っています。

そこで、将来のインセンティブとしてストックオプションを検討することを教えてもらったのですが、

そもそもストックオプションとは何か教えて頂けますか?

 
A ストックオプションは、自社の役員や従業員、業務委託を行っている外部専門家に、無償や1円などの低額で

株式を取得できる権利のことです。

たとえば、資本金500万円の法人で、1株500円で10,000株を発行しているとします。

この株式を10%づつの1000株を貢献しているメンバーの役員や将来の役員候補の従業員に持ってもらうことを検討したとします。

ただ、10%となると500,000円の払い込みが必要となるため、ほぼ無償で働いてもらっているメンバーに

資金の払い出しをお願いすることも難しいのが現状です。

そこで、将来10%の株式をもらえる権利、今から創業メンバーに無償で与え、将来の株式をもらう際に1円で取得できるようにしたとします。

この場合には、創業メンバーは給料は少ないかもしれませんが、まずは会社の成長を一緒に頑張り、会社の成長が見えた段階で

1株1円で1000株の株式をもらえる権利を行使して、1000円を払い込むことで10%の株式を取得することで、

この法人の10%を所有する株主となることができるのです。

ストックオプションは、実は法律用語ではなく、正確には「新株予約権」というものを利用しています。

この「新株予約権」を無償や低額で行うことで、株式をもらえる権利=オプションとして利用しているのです。

したがって、新株発行と同様に株主総会や取締役会での決議が必要になることや、会社の登記が必要となる点に注意が必要です。

さらに、会社から、権利を実行した時点での株式の価値(たとえば、この例では仮に500円とします。)を

会社から1円でもらうため、(500円ー1円)×1000株=49万円分が給料として課税されることとなります。

この例のように株式の価値が低いうちは問題がないのですが、株式の価値が高い場合などに

権利を行使することで給料課税が問題となるケースが生じるため、色々な検討が必要となります。

これは、次以降の回で説明していきます。