消費税の納税義務が成立する売上計上の時期とはなんですか?

2013 / 01 / 29

1 国内取引の場合

国内取引の場合には、課税資産の譲渡や貸付け及び役務の提供(以下「課税資産の譲渡等」といいます。)をした時に消費税の納税義務が成立します。納税義務はその都度成立しますが、申告や納付は課税期間ごとに行います。
 課税資産の譲渡等の時期は、原則として、その取引の態様に応じた資産の引渡しの時又は役務の提供の時となります。
 その引渡しや役務の提供時期について取引の態様に応じて例示すると以下のとおりになり、所得税や法人税の収入金額を計上すべき時期と同様に取り扱います。

(1) 棚卸資産の販売又は固定資産の譲渡
 棚卸資産の販売又は固定資産の譲渡の時期は、原則としてその引渡しの日になります。

(2) 資産の貸付け
 資産の貸付けについては、契約や慣習などにより支払日が定められている場合はその定められた支払日です。

(3) 役務の提供
 請負による役務の提供の時期は、原則として、物の引渡しを要する請負契約にあっては目的物の全部を完成して引き渡した日、物の引渡しを要しない請負契約にあってはその約した役務の全部の提供を完了した日です。
 また、請負を除く人的役務の提供の時期は、原則としてその人的役務の提供を完了した日です。

(4) 延払基準等
 長期割賦販売等で延払基準を適用している場合や工事の請負で工事進行基準を適用している場合には、それらの基準に従って売上げを計上する日とすることができます。

(注1) 課税資産の引渡しや役務の提供が行われる前に、前受金の収受が行われる場合には、前受金の収受の時にかかわらず、現実に課税資産の引渡しや役務の提供等をした時が課税資産の譲渡等をした時となります。
 また、未収金についても代金決済の時期に関係なく、課税資産の引渡しや役務の提供をした時が課税資産の譲渡等をした時となります。

(注2) 青色申告者で所得税法上の現金主義の適用を受けている小規模事業者については、上記(注1)にかかわらず、対価を受領した日とすることができます。

2 輸入取引の場合

輸入取引の場合には、外国貨物を保税地域から引き取る時に消費税の納税義務が成立します。