なぜ?貸借対照表と損益計算書の関係の理解が必要なのか?

2016 / 09 / 05

起業・創業を支援する品川区の税理士・ベンチャー支援税理士法人が起業を検討する方に向けてのコラムです。

今回のテーマは、「なぜ?貸借対照表と損益計算書の関係の理解が必要なのか?」です。

<1>損益法と財産法について
損益法と財産法 との関係で、貸借対照表と損益計算書の関係を説明してみます。

期首  現金 100円

期中  売上 1000円 費用 900円 利益100円

期末  現金 200円

つまり期首100円は期首資本で、期末200円は期末資本です。

利益の計算は、損益計算書から

収益-費用=損益ですから、

1,000-900=100(損益法といいます)ということです。

 
これを貸借対照表で表すと、

期末資本-期首資本=損益 ということができます。

200-100=100(財産法といいます)ということです。

つまり、B/SとP/Lは利益計算の面からいっても、互いに証明し合う関係にあるのです。

これを複式簿記の仕組みで説明していくと、次のようになります。

期首
借  方 貸  方
現金  100

合計  100
資本金 100

合計  100
期末
借  方 貸  方
費用  900

現金  200

合計 1100
売上高1000

資本金 100

合計 1100
(ワンポイント)

・貸方は、どのような理由でお金(又はもの)が入って来ているかを表します。

・借方は、お金の行先を表します。

これでは、幾ら儲かったかが分からないため次のようにして分けているのです。
借  方 貸  方
費用  900

利益  100

現金  200

合計 1200
売上高  1000

資本金   100

利益    100

合計   1200
これを財務諸表で表すと
借方 貸方
 損益計算書
費用   900

利益   100

合計  1000
売上高 1000

 
合計  1000
 貸借対照表
 現金   200

 
合計   200
資本金   100

利益    100

合計        200
となります。

これが簿記の原点となります。

ちなみに、

貸借対照表=Balance Sheet (略してB/S)、

損益計算書=Profit and Loss Statement (略してP/L)

とも言われています。B/S P/Lは一般的にも使われますので覚えておきましょう。

複式簿記では、借方合計(資産・費用)と、貸方合計(収益・負債+資本)は必ず一致します。

これが複式簿記の仕組みで、損益計算書と貸借対照表は、別々ではなく

常に、連動しているのです。

したがって、お金を支払った場合、費用になる場合か資産となっている場合があるのです。

この仕組みを理解しておくことが、貸借対照表と損益計算書を理解することに繋がるのです。