4つの力!お金を守る力を身に付けよう!(その12)

2025 / 09 / 19

起業・創業を支援する品川区の税理士・ベンチャー支援税理士法人が起業を検討する方に向けてのコラムです。

 
①お金を稼ぐ力 ②お金を守る力 ③お金を貯める力 ④お金を増やす力の4つの力を身に付けて、

お金をしっかり貯められる経営を我々は提唱しています。

 
さて、今回のテーマは、「お金を守る力を身に付けよう!(その12)」です。

 
「貸借対照表はここに注意!」というテーマを2つに分けてみます。

(1)銀行は決算書のここをチェックします。

<資産の部>

①手元現金が多いか

「決算期に借入が少ない方がいいですか?」とよく質問されます。これは手元資金を減らしても借入金を減らした方がいいか、とのことになります。実は、借入金が多いより手元資金が少ない方が銀行の評価は下がります。流動性比率と言いますが、すぐに払うための資金がどの程度あるかが、銀行の関心事になるためです。

②売掛金の中身

決算申告書を提出する際に売掛金の明細を税務署に提出します。この明細書のうち2~3年間残高の増減がない相手先はチェックされます。実質的に回収できない売上ではないかと考えるのです。

③在庫金額の増加減

前期に比べて多額の在庫は、利益調査の結果ではないかと推定されます。

④ 仮払金

金額が多額の場合にはその内容の確認を求められます。

⑤ 貸付金

どのような目的で貸付けられたか確認を求めてきます。特に銀行が融資した金額が貸付金として経営者含めて外部に流出している場合には、貸付の目的外の仕様として、企業の評価が著しく低下します。

⑥土地

会計では購入金額で処理します。したがって土地等に含み損や含み益があっても買った当時の金額で決算書には表示されます。含み損がある資産について銀行からの指摘はありませんが、含み益がある土地などは銀行の融資の際に、プラスの材料で評価してもらえるケースがあります。

⑦保険積立金等

換金して幾ら現金に戻るか、積立した金額のうち解約金がいくらあるのか把握が必要です。

 
<負債の部>

⑧未払金

未払金のうち、社会保険などは未納額がないか確認されます。未納額があると差し押さえの可能性も生じるため融資に支障が生じます。未納額が発生している場合には社会保険事務所との支払い条件を決めて、未納額を一括して徴収されない状況にしておくことが大切です。

⑨ 未払消費税・未払法人税

納税証明で、未納の税金がないことが確認されます。

⑩預り金

源泉所得税の滞納金額がないことが確認されます。

⑪借入金

借入金は、月商に対する借入金の大小で融資可能かどうか判断されます。

当然、返済するための利益が出ているかも確認しますが、借入金が過大ではないかの判断は、実は月商によるのです。

月商の3か月分以下は適正で、6か月分がほぼ上限。1年分となると返済がほぼ不可能という考え方が一般的です。

年間の売上金に相当する借入金があると、金利の支払いをして元本を返済することはほぼ難しいのが現実だからです。

 
会社経営において、損益計算書を中心に幾ら儲かっているかや、キャッシュフロー経営など色々な説明がされています。

ただ、シンプルには、

普通預金+売掛金▲買掛金ー銀行借入金

が増加しているかどうか。

これだけでも良いのです。

順調に利益が増えていれば、これが基本増加します。

つまり、お金を増やすことが一番大事ということなのです。

これが当社が掲げる「しっかり貯金経営」なのです。

 
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