なぜ?在庫在り高は、購入金額ベースのチェックが必要なのか?

2017 / 02 / 19

起業・創業を支援する品川区の税理士・ベンチャー支援税理士法人が起業を検討する方に向けてのコラムです。

今回のテーマは、「なぜ?在庫在り高は、購入金額ベースのチェックが必要なのか?」です。

あなたが、これから会社を創業しようと検討しています。

創業する予定は、アパレルショップで1点が2000円の仕入れ原価の商品を、1000個仕入れて

商売をスタートするとします。

この場合、仕入れた商品は、これから売上や利益に貢献してくれるものですから、

広い意味で「資産」とか「財産」と考える方が多いのです。

簿記においても当然資産として「仕入」=「商品」として処理することになりますから、

あなたの考えは正しいと言えます。

ただ、資金繰りに関する考え方においては、結局は「支出」という支払いでしかないのです。

買った日に売らなければ、商品代金は結局、手元のお金で支払う必要があるからですね。

そこで、上代(売値)ベースで幾ら商品を持っているかではなく、支払い金額ベースで幾ら支払っているかを

管理しておくことは、簿記や会計においても大事ですが、経営においても非常に大切なのです。

一般的に1.5~2ヵ月ぐらいが、金額ベースでの在庫はあるわけです。

これは、欠品や在庫切れが販売の機会損失になるためストックとして準備しておく必要があるためです。

では、在庫は資金繰りとしては、「支出」のため銀行としては、あなたの会社はお金としてどのくらい必要かと考えます。

その場合、次のように計算します。

損益計算書の売上高(又は売上原価)を365日で割って、1日当たりの出荷高をまず計算し、

在庫金額を出荷高で割って、売上ベースで何日分の在庫があるかを調べることとなります。

在庫日数 = 商品・製品の期末在庫金額 ÷ (年間売上高÷365日)

これは、売上ベースで何日分のお金が必要なのか、と見ているのです。

商品・製品の在庫は、あなたの考えどおり「資産」ですから多めに置いておきたいものです。

ただ、在庫が少ない方が資金的には圧倒的に楽ですが、売る商品がなければそもそも売上も立たないし、お客様も来ないのです。

営業上不利となるため、お客様の都合を考えて、競争相手よりも多く在庫を持つことも必要です。

したがって、在庫は「財産」となってしまいますよね。

でも、やっぱり「支出」であることを忘れないようにしてください。