なぜ?立替金・仮払金の確認が必要なのか?

2017 / 07 / 30

起業・創業を支援する品川区の税理士・ベンチャー支援税理士法人が起業を検討する方に向けてのコラムです。

今回のテーマは、「なぜ?立替金・仮払金の確認が必要なのか?」です。

創業して1期目の決算が終わりました。

すると、会社の決算書に「立替金・仮払金」という科目が決算書に表示されていました。

この「立替金や仮払金」がある場合には、注意が必要です。

では、それぞれの科目の意味を確認してみましょう。

立替金とは、

会社が社長や従業員や取引先に代わって、支払った金額があるため、

後に精算されることを意味するために使用される勘定です。

例えば、会社の通帳から清算されるカードで、個人的なものを購入してしまったとします。

例えば、電気店で会社のパソコンと一緒に自宅用のテレビを10万円で購入したとします。

すると、経理処理では

立替金10万円  / 未払金(カード) 10万円

という処理になります。

これを、会社に決算期までに返還していれば、この10万円が決算書に表示されることはありません。

ただ、これが決算期末などに発生してしまうと、立替金として残ってしまうのです。

次に仮払金とは、

立替金とほぼ同様の内容ですが、会社が支払った金額のうち、会社の経費とするべきでない金額を

仮に処理した場合に利用される科目です。

立替金・仮払金は一時的に支払ったもので、近いうちに精算しなければいけない金額なのです。

この立替金や仮払金は、取引先や従業員に対しては、比較的にすぐに精算されるのですが、

社長に対するものは、なかなか精算されないで残ってしまっているケースがあります。

この場合、立替・仮払いと言っても実態は、社長に対する貸付金と同様と言えるのです。

税務調査では、この社長に対する立替金・仮払金が実態として貸付金ではないかと調べられます。

理由は、社長に対して貸付けがあった場合、無利息での貸し付けはダメ

と指摘され、社長に対して実質的な給料があったとして課税されるためです。

更に、銀行から融資を受ける場合にも注意が必要です。

銀行の融資は、融資で調達するお金の利用目的を最も気にします。

例えば、運転資金で必要となる・設備を購入するためにお金が必要となる、

ということで銀行は融資します。

ところが、社長に対する立替金が多くなると、銀行は会社に対して融資したはずが、

実は、社長個人にお金が流れる結果になり、目的外にお金の利用したと言えます。

これを一番銀行は嫌うのです。

したがって、税務的にも、融資に関しても立替金・仮払金という科目は、

注意が必要となるのです。

1期目の決算が終わったら、この点を確認してみましょう。