なぜ?会社で経費にできるのか?

2015 / 10 / 12

起業・創業を支援する品川区の税理士大内 力が起業を検討する方に向けてのコラムです。

今回のテーマは、「なぜ?会社で経費にできるのか?」です。

どんな経費が会社の経費として求められますか?
という質問はとても多く受けます。
そこで、経費になるかの判断のポイントをまとめてみました。

(ポイント1)事業運営に必要な支出が経費ですが、実は多くがグレーゾーン
事業に必要な経費について、これは大丈夫でこれは認められない、という明確なラインは存在しません。
基本的には「事業を運営するために必要な支出」を経費にできますが、経費として計上できるか否かについては個別具体的に判断するしかありません。
業種や収支に応じて、経費と認められる範囲は変わってきますし、税務調査があった場合には、調査官の心証も判断に影響します。
基本は、この事業活動のために必要であると説明できるかが、ポイントです。

(ポイント2)売上と経費のバランス
例えば、売上高20億円の会社にとっては、年間1000万円の飲食代も接待交際費として計上できる可能性が高いのですが、売上高200万円の会社が同じことをしていたら明らかに不自然です。
全く同じ出費でも、事業規模に応じて経費としての信憑性がかわります。
調査官に「状況からみてこれはおかしい」と判断されたらアウトなのです。
収支のバランスを考慮して会社が「常識的に」判断し、必要であれば用途のメモや資料を残して、経費としての信憑性を増す努力を自分でしておきましょう。
判定が微妙な出費について、事前に仮に税務署へ電話して経費として認められるかどうか質問をしても、税務署員からは会社にとって有利な返答は期待できませんので。

(ポイント)業種と経費のバランス
収支に応じて経費の許容範囲が変わるように、業種や業務内容によっても経費のバランスが変わってきます。
例えば、飲食店を営んでいる場合は水道光熱費の割合が高くなっても不思議ではありませんが、デザインの仕事をしている事業の水道光熱費の割合が高いと「ふむむ?」となりますね。
税務署員は膨大な数の収支報告を見て、業種別の平均的な収支のバランスが頭に入っているので、収支内訳を見て異常値があれば指摘されるもとになります。

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