4つの力!お金を守る力を身に付けよう!(その4)
2023 / 12 / 28
起業・創業を支援する品川区の税理士・ベンチャー支援税理士法人が起業を検討する方に向けてのコラムです。①お金を稼ぐ力 ②お金を守る力 ③お金を貯める力 ④お金を増やす力の4つの力を身に付けて、
お金をしっかり貯められる経営を我々は提唱しています。
さて、今回のテーマは、「お金を守る力を身に付けよう!(その4)」です。
事例で貸借対照表・損益計算書の関係を理解する
会社の決算書の作成を簡単な事例で確認してみましょう。
会社が赤字で潰れるのが一般的ですが、赤字だからと言ってすぐに潰れるわけではありません。支払わなければならないものが支払えなくなった時に、会社はつぶれるのです。逆の言い方をすると、会社に利益がでることと、お金が手元にあることとは一致しないのです。このことは大切なので押えておきましょう。
<例> A君 支払いと入金のことをあまり考えずに創業しました。
A君が8月1日に資本金100円を出資して法人を設立しました。8月2日に店舗を100円で開設して商売をスタートさせてました。そこで、9月1日に500円で仕入れた商品が、9月15日に1000円で売れました。
仕入先とは、先方の条件に合わせて20日締めの10日払いという条件で契約しました。
また、販売先には、末締めの翌月末払いという条件で取引をはじめました。
(取引の流れ)
8/1 設立 資本金 100万円
8/2 店舗 建物 100万円
9/1 掛仕入 仕入 500万円
9/15 掛販売 売上 1000万円
9/30 決算
10/10 仕入掛代金の支払い ▲500万円
10/30 売上掛代金の入金 1000万円
(仕訳帳:単位 百万円)
日付 | 借方 | 貸方 | 摘要 |
8/1 | 現金 100 | 資本金 100 | 会社設立 |
8/2 | 建物 100 | 現金 100 | 設備を購入 |
9/1 | 仕入高 500 | 買掛金 500 | 掛け仕入 |
9/15 | 売掛金 1000 | 売上高 1000 | 掛け売上 |
9/30 | 決算 |
まず、合計残高試算表を作成します(合計残高試算表とは、各勘定科目の残高を集計するもの)。
借方 | 貸方 |
仕入高 500 当期利益 500 |
売上高 1000 |
現金 0 売掛金 1000 建物 100 |
買掛金 500 資本金 100 当期利益 500 |
合計 2100 | 合計 2100 |
損益計算書
売上高 1000 売上原価 500 (仕入高 500) 当期利益 500 |
資産の部 現金 0売掛金 1000 建物 100 |
負債の部 買掛金 500 |
純資産の部 資本金 100繰越利益 500 |
|
合計 1100 | 合計 1100 |
当然利益は、500万円です。儲かったと喜ぶと思いますが、ちょっと待ってください!
代金の支払いのタイミングと入金のタイミングに注意が必要です。
10月10日の仕入れだ金の掛け500万円の支払いができますか?
そこで、A君は銀行に融資の相談に行き、融資の10月5日に500万円を実行日に申込みをしました。
10月30日に入金されるお金で返済ができるため、融資が無事実行されました。
つまり、10月10日の支払いは、問題なくクリアーしたのです。
仮に、10月5日に融資の実行が受けられなかったらどうなりますか?
これが、黒字倒産の仕組みです。
利益が出ていることと、お金が残っていることとは一致しないということです。
このようにお金を守る力には決算書を読める力が必要となるのです。
ベンチャー支援税理士法人との仕事に興味を持たれた方は、
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