建設中の物件の支払いに対する消費税の取り扱いについて教えてください

2013 / 01 / 29

仕入税額の控除は、課税仕入れを行った課税期間において行うこととされています。
 課税仕入れを行った日とは、資産の譲受けや借受けをした日又は役務の提供を受けた日となります。
 これらの日は原則として、所得税法又は法人税法で所得金額の計算をするときの資産の取得の日又は費用の計上時期と同じです。
 そのため、減価償却資産や棚卸資産であっても、これらの課税資産等を取得した日の属する課税期間においてその全額を控除の対象にすることになります。
 ところで、建設工事の場合は、通常、工事の発注から完成引渡しまでの期間が長期に及びます。そのため、一般的に、工事代金の前払金又は部分的に引渡しを受けた工事代金や経費(設計料、資材購入費等)の額を一旦建設仮勘定として経理し、これを目的物の全部が引き渡されたときに固定資産などに振り替える処理を行っています。
 しかし、消費税法においては、建設仮勘定に計上されている金額であっても、原則として物の引渡しや役務の提供があった日の課税期間において課税仕入れに対する税額の控除を行うことになりますから、当該設計料に係る役務の提供や資材の購入等の課税仕入れについては、その課税仕入れを行った日の属する課税期間において仕入税額控除を行うことになります。
 ただし、建設仮勘定として経理した課税仕入れについて、物の引渡しや役務の提供又は一部が完成したことにより引渡しを受けた部分をその都度課税仕入れとしないで、工事の目的物のすべての引渡しを受けた日の課税期間における課税仕入れとして処理する方法も認められます。