教えて!退職金を支払った場合の取扱いは?

2018 / 12 / 24

起業・創業を支援する品川区の税理士・ベンチャー支援税理士法人が創業した社長のよくある相談をお答え致します。

今回の相談は、「退職金を支払った場合の取扱いは?」です。

Q 会社経営者の社長から次のような相談を受けました。
「当社の先代が代表取締役の退任を検討しています。退職に際して退職金の支給を検討していますが、支給する退職金に対する税金の計算について教えてください。」

A 退職金については他の所得と分けて所得税が計算されます。計算した結果の所得税と住民税を控除して支給することとなります。

解説)
役員に対して支給する退職金は、法人税で一定の制限を設けております。
一般的には次の算式により計算することとなっております。

役員の退職金=最終報酬月額×勤続年数×功績倍率

退職金については、働いてから辞めるまでの長い期間に渡る所得を一括で支給することから、所得税においては他の所得と分けて計算することとされております。

(退職金-退職所得控除額)×1/2×所得税累進税率(+住民税10%)

これは給料の収入があっても、または不動産の収入があってもそれらの収入とは分けて、所得税の累進税率を掛けて所得税を計算します。
更に、次に説明する退職金の控除額を控除して、2分の1にするため、
退職金の税金は、税負担をそれだけ低くするようになっているのです。
退職金控除額は、
勤続年数が20年までは 40万円×勤続年数数
勤続年数が20年を超えると 70万円×(勤続年数ー20年)+800万円

と計算します。
つまり、年あたり40万円は税金を掛けないという意味です。
仮に30年間務めた場合なら、1500万円退職金を支給しても所得税はゼロですから、相当優遇されているのです。

グループ会社があれば、その会社ごとに退職金の支給することが可能です。
退職金の支給を上手にコントロールできれば、それだけ課税されないで
個人に労務対価を支給することができるわけです。

ただ、退職金を支給する方には、「退職所得の受給に関する申告書」を記載してもらう必要がありますのでご注意ください。