なぜ?損益分岐点の比率は90%以下にする必要があるのか?
2017 / 11 / 17
起業・創業を支援する品川区の税理士・ベンチャー支援税理士法人が起業を検討する方に向けてのコラムです。今回のテーマは、「なぜ?損益分岐点の比率は90%以下にする必要があるのか?」です。
損益分岐点の比率を90%以下にするという話をする前に、
損益分岐点という言葉を聞いたことがありますか?
損益分岐点とは、収入と費用とが一致する場合の売上のことで
・売上高▲売上原価▲販売管理費等の経費=0
となる場合に売上高のことです。
例えば、1個80円で仕入れて、100円で販売しているお店があったとします。
このお店の人件費・家賃・光熱費の合計額が月100万円だったとします。
この100万円の固定費は、幾らの売上を上げると損益がゼロになるかが、
損益分岐点の売上高です。
この例では、
① 1個の粗利益を計算します。
100円▲80円=20円
② 1個当たりの粗利益率を計算します。
20円÷100円=20%
③ 固定費を②の粗利益率で割ります。
100万円÷20%=500万円
つまり、500万円の売上を上げれば、損益はゼロとなるのです。
100万円売ったら、20万円が粗利ですから、この5倍でちょうど100万円の粗利益を稼ぐことができます。
この500万円の売上高が損益分岐点という意味です。
では、会社ではどの程度の売上を目指すべきでしょうか?
それが、今回のタイトルにあるように損益分岐点を90%以下にする、という意味です。
つまり、粗利益額の90%に固定費を抑えて、粗利益の10%は利益として残すことを目標にするものです。
先ほどの例では、
100万円が固定費ですからこれの10%が粗利益額の目標となりますので、
100万円×10%+100万円=110万円
が目標の粗利益額になり、粗利益率が20%なので、
110万円÷20%=550万円
が、目指す目標の売上高になります。
目標とする利益の額の考え方はいろいろありますが、粗利益の10%以上を残す、
ということを目安にすると分かりやすいと言えます。
損益分岐点比率90%の意味が理解できましたか?
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