なぜ?企業は納税をしないといけないのか?
2017 / 09 / 16
起業・創業を支援する品川区の税理士・ベンチャー支援税理士法人が起業を検討する方に向けてのコラムです。今回のテーマは、「なぜ?企業は納税をしないといけないのか?」です。
企業を運営するためには設備資金と運転資金が必要となります。
設備資金とは、飲食店ならお店、システム開発では開発費になります。
簡単に言えば、初めに掛かる費用と言えます。
次に運転資金です。
運転資金とは、売上の入金までに必要な資金のことを言います。
例えば、今日販売するための時計を100万円分現金で仕入れました。
売るために小売店の電車で回り、売り先を見つけるのに5万円の費用が掛かりました。
次に商品の発送です。
佐川急便にお願いすると3万円必要となり、まだ信用がないためこれも現金で支払いました。
働いてくれたスタッフには、20日の25日に給料を10万円払いました。
無事商品が売り先に到着し、請求書を月末に先方に送りましたが、入金は来月末です。
つまり、この1か月間は1円もお金の入金がないにも関わらず、
100万円+5万円+3万円+10万円のトータル118万円必要だったのです。
しかも、入金が来月ですから、この倍の236万円のお金を支払って、
やっと月末に売上代金が入金されるのです。
この売上代金が入金されるまでに掛かるお金のことを運転資金と言います。
設備投資の資金・運転資金は、どのように調達するかと言えば、
1.自己資金
2.銀行からの借入
となります。
1.は自分のお金ですから問題ありませんが、必要なお金の全てを準備するのは無理があります。
2.は銀行から借りたのは良いですが、返済が必要となります。
つまり、この銀行からの借入は、儲けで返済する必要があるのです。
日本の法人税の課税方法は、売上から経費を差し引いた、儲けに対して税率を掛けます。
したがって、返済にするためには利益を出さないとならないですし、利益を出すと
結局法人税が課税されることとなります。
そこで、企業が目指すべき利益目標を次のように設定します。
つまり、事業存続に必要な利益額はいくらかです。
銀行の返済は、最大債務償還年数を10年以内となります。
したがって、銀行への返済の償還年数を目標とすると
銀行借入÷10年×1.5=目標経常利益
となります。
この1.5倍は、税コストのことです。
企業が納税しないとならない理由はここにあります。
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