なぜ?決算書が分からないとダメなのか?
2016 / 06 / 17
起業・創業を支援する品川区の税理士ベンチャー支援税理士法人が創業を成功に導くための情報をお届けします。今回の情報は、「なぜ?決算書が分からないとダメなのか?」です。
簿記の目的の中にあったように、企業の経営状況を外部の利害関係者に報告するために作成する一覧表を財務諸表といいます。
財務諸表の作成については社会的・公共的な責任が伴い、制度上多くの規制が設けられています。
それらは主に、会社法で定められているのですが、まずそこで作成するように求められている財務諸表にはどんな種類があるのでしょうか。
会社法による決算財務諸表
・貸借対照表
・損益計算書
・事業報告書
・株主資本等変動計算書
・個別注記事項
これらの財務諸表の中で中心的なものが、貸借対照表と損益計算書です。
1.貸借対照表
貸借対照表は,企業の財政状態を明らかにするために、一定時点におけるすべての資産・負債・資本の残高を
一覧表示したものです。
貸借対照表は「平均」という側面を表しています。
貸借対照表
平成2×年6月30日
資産 | 負債 |
純資産 |
始めにあったように、財務諸表の作成には制度的な規制がありますが、貸借対照表の形についても雛型が定められています。
2.損益計算書
損益計算書は企業の一定期間における経営成績を示す財務諸表で、貸借対照表とともに財務諸表の中でも主要なものです。
経営成績は、獲得した収益とそれに要した費用を対応させて得られる、期間の純損益として表されます。
収益-費用=純損益ということです。
損益計算書
自平成2×年7月1日至平成2×1年6月30日
売上原価 | 売上高 |
販売費・管理費 | 当期純利益 |
3.貸借対照表と損益計算書の関係とは
損益法と財産法 との関係で、貸借対照表と損益計算書の関係を説明してみます。
期首 現金 100円
期中 売上 1000円
費用 900円
利益 100円
期末 現金 200円
つまり期首100円は期首資本で、期末200円は期末資本です。
利益の計算は、損益計算書から
収益-費用=損益ですから、
1,000-900=100(損益法といいます)ということです。
これを貸借対照表で表すと、
期末資本-期首資本=損益 ということができます。
200-100=100(財産法といいます)ということです。
つまり、B/SとP/Lは利益計算の面からいっても、互いに証明し合う関係にあるのです。
これを複式簿記の仕組みで説明していくと、次のようになります。
期首
借方 | 貸方 |
現金 100円 合計 100円 |
資本金 100円 合計 100円 |
借方 | 貸方 |
費用 900円 現金 200円 合計 1100円 |
売上高 1000円 資本金 100円 合計 1100円 |
借方 | 貸方 |
費用 900円 利益 100円 現金 200円 合計 1200円 |
売上高 1000円 資本金 100円 利益 100円 合計 1200円 |
借方 | 貸方 |
損益計算書 | |
費用 900円 利益 100円 合計 1000円 |
売上高 1000円 合計 1000円 |
貸借対照表 | |
現金 200円 合計 200円 |
資本金 100円 利益 100円 合計 200円 |
これが簿記の原点となります。
ちなみに、
貸借対照表=Balance Sheet (略してB/S)、
損益計算書=Profit and Loss Statement (略してP/L)
とも言われています。B/S P/Lは一般的にも使われますので覚えておきましょう。
複式簿記では、借方合計(資産・費用)と、貸方合計(収益・負債+資本)は必ず一致します。
このように財務諸表とは、会社の業績を掴むとともに、資産・負債の状況を把握することができます。
銀行に決算書を持って行って、自分の会社の状況を説明できるでしょうか?
説明ができないと融資などが難しくなるのをご理解いただけましたか?
category: