なぜ?貸借対照表が分からないといけないのか

2016 / 09 / 29

起業・創業を支援する品川区の税理士・ベンチャー支援税理士法人が起業を検討する方に向けてのコラムです。

今回のテーマは、「なぜ?貸借対照表と損益計算書との関係の理解が必要か」です。

会社はどうやったら潰れると思いますか?よく黒字倒産ということを耳にしたことがあると思います。

一方日本の中小企業の8割は赤字ですが、日本の企業の8割がすぐに倒産すると思いますか?

それでは、なぜ倒産するのか考えてみましょう。

会社が赤字で潰れるのが一般的ですが、赤字だからと言ってすぐに潰れるわけではありません。

支払わなければならないものが支払えなくなった時に、会社はつぶれるのです。

逆の言い方をすると、会社に利益がでることと、お金が手元にあることとは一致しないのです。

このことは大切なので押えておきましょう。

そこで、次の2つの簡単な例で確認してみましょう。

 
<例1> A君 支払いと入金のことをあまり考えずに創業しました。

A君の会社は、9月1日に500円で仕入れた商品が、9月15日に1000円で売れました。

仕入先とは、先方の条件に合わせて20日締めの10日払いという条件で契約しました。

また、販売先には、末締めの翌月末払いという条件で取引をはじめました。

 
9/1   商品仕入れ 掛け 500円

9/15 商品販売  掛け 1000円

9/30 決算

10/10 仕入れ代金支払い  500円

10/30 売上代金の入金  1000円

<この会社の決算書を作ってみました!>

★損益計算書
売上高   1000

売上原価   500

当期利益   500
★貸借対照表
資産の部

売掛金  1000
負債の部

買掛金    500
固定資産    0 純資産の部

繰越利益   500
資産合計 1000 負債純資産 1000
 
 
当然利益は、500円です。儲かったと喜ぶと思いますが、ちょっと待ってください!

代金の支払いのタイミングと入金のタイミングに注意が必要です。

10月10日の支払いができますか?

★ A君は銀行に融資の相談に行き、融資の申込みをしました。

10月30日に入金されるお金で返済ができるため、融資が無事実行されました。

つまり、10月10日の支払いは、問題なくクリアーしましたのです。

しかし、銀行の融資残高は500円。毎月返済が必要になりました。

 
<例2> B君支払いと入金のタイミングをよく考えて創業しました。

B君の会社は、9月1日に500円で仕入れた商品が、9月15日に1000円で売れました。

仕入先とは、当社の条件をしっかり話して20日締めの30日払いという条件で契約しました。

また、販売先には、30日締めですが、50%代金引渡し時に現金払い、残金を翌月末払いという条件で取引をはじめました。

9/1   商品仕入れ 掛け 500円

9/15 商品販売  1000円

うち  掛け 500円

前金 500円

9/30 決算

10/30 仕入れ代金支払い  500円

10/30 売上代金の入金  1000円

 
★損益計算書
売上高   1000

売上原価   500

当期利益   500
★貸借対照表
資産の部

現金    500

売掛金   500
負債の部

買掛金    500

 
固定資産    0 純資産の部

繰越利益   500
資産合計 1000 負債純資産 1000
★B君は、銀行の融資とは無縁です。

しかも、売上を上げるほど入金額が多くなるため、手元にはいつも資金が増えて行きます。

取引条件が、会社の資金繰りにこのように影響を与えるだけでなく、

銀行の支払利息というコストも削減できるわけです。

このように、損益計算書だけで会社の業績を判断することは危ないということが

お分かり頂けましたでしょうか?

損益計算書は理解できても、その結果、資産と負債の状況がどうなっているか理解することは

企業経営するうえで大切なわけです。