プチ税務!商品を仕入れた時の経費はいつ経費になるのか?
2020 / 10 / 25
起業・創業を支援する品川区の税理士・ベンチャー支援税理士法人が創業した社長へお届けする税務のプチ情報です。今回のテーマは、「商品を仕入れた時の経費はいつ経費になるのか?」です。
法人税において、経費になる方法は次のように定められています(法人税法22条 一部修正)。
1.法人の各事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入すべき金額は、別段の定めがあるものを除き、次に掲げる額とする。
① その事業年度の収益に係る売上原価、完成工事原価その他これらに準ずる原価の額
② その事業年度の販売費、一般管理費その他の費用
(償却費以外の費用で当該事業年度終了の日までに債務の確定しないものを除く。)の額
③ その事業年度の損失の額で資本等取引以外の取引に係るもの
2.事業年度の収益の額及び損金の額は、一般に公正妥当と認められる会計処理の基準に従つて計算されるものとする。
3.資本等取引とは、法人の資本金等の額の増加又は減少を生ずる取引並びに法人が行う利益又は剰余金の分配及び残余財
産の分配又は引渡しをいう。
これを解説すると次のようになります。
その年の収益に対応する売上を上げるための原価(売上原価)は、その事業年度の費用とする。
と書かれています。
つまり、売上のための原価は、売上を上げた年に費用にしろ、と決められているのです。
そこで、商品を仕入れた時の経費は、いつの経費にするのか、というのが今回の問題です。
仮に12月が決算期になっている会社とします。
この会社が12月に商品を現金で仕入れたとします。
そして、この商品が売れた(つまり、収益になった)のが、翌年の1月とします。
先ほど、売上のための原価は、売上を上げた年に費用にしろ
と書かれていると、説明しました。
この12月に買っ仕入の経費は、12月の決算期の売上に対応していません。
したがって、この経費は、12月の経費とするのではなく、
商品が売れ収益が立った、1月の経費にすることとなります。
そこで、この処理をどのようにするか、といえば、一般に公正妥当と認められる会計処理の基準に
したがって処理することとなります。
公正妥当と認められる会計処理の基準では、
期首の在庫 ×××円
当期の仕入れ ×××円
合計
期末の在庫 ×××円
という方法で計算することとなっており、
この上記の計算結果が売上原価となります。
つまり、最後に売れ残った在庫を控除して、売れた分の商品を計算することとなっているのです。
逆に、売れた商品の仕入れ金額が確定していない場合においても、見積金額で計上することも必要になるのです。
請求書が決算の期末までに届いていなくても計上する、という点を合わせて押さえてください。
(参考)
(売上原価等が確定していない場合の見積り)
法人税基本通達 2-2-1
法第22条第3項第1号《損金の額に算入される売上原価等》に規定する「当該事業年度の収益に係る売上原価、完成工事原価その他これらに準ずる原価」
となるべき費用の額の全部又は一部がその事業年度終了の日までに確定していない場合には、同日の現況によりその金額を適正に見積るものとする。
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