教えて!エンジェル税制とは(その1)

2019 / 09 / 29

起業・創業を支援する品川区の税理士・ベンチャー支援税理士法人が創業した社長のよくある相談をお答え致します。

今回の相談は、「エンジェル税制とは(その1)」です。

エンジェル税制とは、ベンチャー企業への投資を促進するために
ベンチャー企業へ投資を行った個人投資家に対して税制上の優遇措置を行う制度です。
つまり、
1.ベンチャー企業への投資を促進すること
2.そのために投資した個人の税を優遇する
ということで、投資をうけるベンチャー企業を直接優遇する規定ではありません。

そして、
・個人投資家が投資を行った場合の投資時点での優遇か、
・投資家がその株式を売却時点で優遇するか
のいずれの時点でも税制上の適用を受けることができます。

投資の時点での優遇とは何かと言えば、ふるさと納税と同じと考えてください。
(投資した金額から2000円)控除した金額を、所得金額から控除してくれる制度で、株式を買った時点で費用(正確には税務上控除できる生活費)となって、直ちに優遇が受けられます。
所得金額が多い方には、大きな控除が受けられる制度と言えます。

株式を売却した時点での優遇とは、株式の売却損として、他の株式の売却益と相殺してくれる制度です。
本来は、上場していない会社の株式の譲渡損は、上場していない株式の売却益とは相殺できないこととなっていますが、エンジェル税制の手続きがしてあれば、上場株式の譲渡益と相殺できるのです。
投資額の20%は、回収できることとなります。、

このように、投資家向けの制度であり、受ける企業側が税の優遇を受ける制度ではないこととなります。

問題は、全部の起業が適用を受けられるわけでななく、経済産業局から「特定が受けられるベンチャー企業」を承認をもらった企業だけ、この制度が受けられるということです。

この辺は、次回以降の回でまとめていきたいと思います。