教えて!不動産の仲介手数料を50%もらったらどうなる?

2019 / 02 / 19

起業・創業を支援する品川区の税理士・ベンチャー支援税理士法人が創業した社長のよくある相談をお答え致します。

今回の相談は、「不動産の仲介手数料を50%もらったらどうなる?」です。

Q 会社経営者の社長から次のような相談を受けました。
「当社は不動産業を営んでおります。通常は、契約日に手数料50%、決済日(=所有権移転日)に残りの50%というようにもらっています。今まで、現金入金ベースに売上計上をしておりましたが、契約ベース(つまり、決済を迎えていないが、支払約定書をもらった日)に売上計上する、ということは可能ですか?」

A 継続適用を条件に契約ベースでの売上計上は可能となります。

(解説)

上記処理は次のようになります。

(継続適用)売買契約等の効力発生時に売上計上する

つまり、契約日 3/1  手付金 50% 3/1 物件の引き渡し 5/30 予定

であったとします。

3/1   現金 500,000  売上高 500,000

5/30  現金  500,000 売上高 500,000

(原則)売買契約締結日に売上計上する

3/1  現金 500,000 売上高 1,000,000

売掛金 500,000

5/30 現金 500,000 売掛金 500,000

この処理の違いは、業績の管理を営業の契約ベースで管理している場合には、継続処理ではなく、契約ベースで会社の処理を行った方が、

営業の管理と会社の業績が連動することとなるため、業績管理がやり易くなります。

その一方で、引き渡しが完了する前に売上計上するため、融資の実行など買い手や都合などで契約が引渡し前に取り消しになった場合などは、

その修正が必要となったります。

ご相談頂いた会社においては、契約金の50%を受取りした金額が、契約解除等あった場合においても返還する必要がない場合には、

ご相談頂いたように、現金入金ベースで処理することも妥当な処理だと考えますが、原則処理には上記のような問題もあります。

会社の取引先や過去の状況などで、原則適用するべきかを考える必要はありますが、営業の業績と会社の決算の状況を合わせることも

必要なケースは意外に多くあるため、今後の状況を踏まえながら採用の検討を行ってください。

 
この取り扱いに関係する法人税の通達は、下記のとおりです。

2-1-21の9

土地、建物等の売買、交換又は賃貸借(以下「売買等」という。)の仲介又はあっせんをしたことによる報酬の額は、

その履行義務が一定の期間にわたり充足されるものに該当する場合を除き、

原則としてその売買等に係る契約の効力が発生した日の属する事業年度の益金の額に算入する。

ただし、法人が、売買又は交換の仲介又はあっせんをしたことにより受ける報酬の額について、

継続して当該契約に係る取引の完了した日(同日前に実際に収受した金額があるときは、当該金額についてはその収受した日。)

において収益計上を行っている場合には、当該完了した日は、その役務の提供の日に近接する日に該当するものとして、

法第22条の2第2項《収益の額》の規定を適用する。(平30年課法2-8「二」により追加)