なぜ?お金の使い方を身に付けないのか?
2016 / 05 / 19
起業・創業を支援する品川区の税理士ベンチャー支援税理士法人が創業を成功に導くための情報をお届けします。今回の情報は、「なぜ?お金の使い方を身に付けないのか?」です。
企業の提供する価値とは、「資本(資金)の力 ×人の力」 によって生み出されます。
資金の力 ・・・製造業では生産のための機械装置・原材料の在庫
小売業では、集客のための店舗の確保・商品在庫
全業種としては運転資金 貸借対照表に表示される内容です。
人の力・・・・・・労働力・知識・知恵・創造性など
損益計算書に経費として表示される内容です、
価値・・・・・・粗利益(付加価値)です。
利益は「資金の力」と「人の力」の2つの力によって生み出されているため、自分の会社が
・「資金中心型業種」・・・・製造業・小売・飲食
・「経費中心型業種」・・・・ホームページ制作・出版・広告業
どちらに該当するか押さえておく必要があります。
一般的には、財務は「資金の配分」「経費の配分」を一緒にしていますが、
本質的には異なりますので、分けて押さえておきたいものです。
1.「資金中心型業種」は資金配分が重要
「何と何に」に対して資金を配分すると最も経営力が強くなるか見極める必要があります。
また、資金の配分計画は資金調達能力と一緒に考えておく必要があります。
資金の配分先とは売掛金・在庫・建物・土地・機械装置・内部造作・器具備品などです。
第1位 売掛金 受取手形
人件費等を1か月後に支払ことにして、売掛金等も30~45日回収を目標
例)月商4000万円×粗利益率15%=600万円
30~45日以内の回収が目標となる
→業界平均に比べてどうかを比較する
社長の営業力によって回収期間は大きく異なる
①取引高が小口で、注文が2~3か月に1度程度の得意先
納品時に代金の支払いをお願いする
②手形の期日が業界平均より長い会社
手形の期日を1か月だけ短くできないか交渉する。
社長が方針を作ることが大切
③得意先ごとに「実質上の回収期間」を計算・一覧表にし、長い会社はどこかはっきりさせる。「代金回収の短縮化トーク」を考えて文章にする
④回収期間が長いのに、どうしても回収が短くならない会社
思い切って取引を中止して、回収条件が良い会社へ営業に行く
第2位 商品 在庫
在庫は自社の都合で決めるのではなく、お客様の都合で考え、次に競争相手との関係を優先する。在庫は資金が寝ることになるが、お客様を中心にする。
営業を強くするために、計画的に在庫を持つことはとても大切
第3位 固定資産
多くの車を持つ・駅前の立地に構えるなどは、物的営業手段といえる。
資金繰りとの関係は、二律背反の関係にあるため次のチェックが必要
①お客作りと直接関係があるか否か・営業利益を作るのに直接関係するか
②固定比率が業界平均データと比べてどうか
第4位 現金・預金
資金繰りにゆとりを持たせる。思わぬ事故から会社を守るための「大事な手段」。多く持つことが「経営の目的ではない。」
支払が終わった月末の時点で、月商の何カ月分を持つと、当面の経営の安全性が保てるか、目標を決める
2.「資金中心型業種」・「経費中心型業種」とも経費配分も重要
経費配分は、「お客づくりを中心」に考えます。
①経費を「用途ごと」に大きく区分する
A.営業経費 広い意味での営業経費。お客をつくるための経費・お客に商品・サービスを提供するための経費・お客を維持するための経費
B.内部経費 経理や総務など内勤に係る経費
C.どちらにも入れにくい経費 家賃・電気・借入金の利息や雑費など
(注)社長の経費を営業経費に入れるか・内部経費にいれるかで多く変わるが、上記比率で考えます
業種によっても異なるため、業界平均のデータを参考にする。
②「営業経費」と「内部経費」の配分比率を決める (どちらにも入れにくい経費は、まず保留)
どのような比率で配分すると「営業力」が高まり、経営や税務のためのデータがきちんとそろうかをある程度押さえておく。経費配分の7割は「人の配置」で決まる。
A.業歴が10年以内・・・営業経費85% 内部経費15%
B.業歴が15年以内・・・営業経費82% 内部経費18%
C.業歴が20年近く・・・営業経費80% 内部経費20%
D.業歴がさらに古い・・・営業経費70~75% 内部経費25~30%
③経費の節約・削減方法を検討する
A.営業経費・・・「営業地域」「営業方法」と一体で見直しを行う
B.内部経費
1つ目・・・経理の仕事の合理化
2つ目・・・仮払いを本人に立替えてもらい、後で精算する。
また小口の経費は月1回の精算にする
3つ目・・・自己資本比率を高め、借入金を少なくする
3.社長の経費
本業の経営と全く関係のない「交際費」「出張旅費」・付き合いで出している「広告」・「雑誌」などを積極的に見直す
さあ、創業したあなたはどこに大切な資金を使っていきますか?
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