なぜ?資本金を1000万円でスタートしてはいけないの!

2016 / 02 / 13

起業・創業を支援する品川区の税理士ベンチャー支援税理士法人が創業を成功に導くための情報をお届けします。

今回の情報は、「なぜ?資本金を1000万円にしていけないの!」です。

会社の資本金は、会社の出資金であり会社スタートの資金と言えます。

以前は、有限会社では300万円・株式会社では1000万円が最低の資本金額でした。

ただ、会社法の改正で資本金規制がなくなり、1円の資本金から設立が可能となりました。

そこで、自由に資本金額を設定できるようになったのですが、

税務の世界では、会社の規模をこの資本金の大きさで区分しており、

資本金額の大きさで税務上の取り扱いが大きく変わるのです。

①資本金1000万円未満(以下は1000万円を含みません!)

消費税が原則2年間申告の必要がない

②資本金1000万円以下

都民税・区民税を合わせた均等割りという利益の有無にかかわらず課税される税金が

最低の7万円

③資本金3000万円以下

中小企業の税額控除など、中小企業ののみ認める優遇措置が多くある

④資本金1億円以下

都民税・区民税を合わせた均等割り18万円の限界資本金額

法人税の税率 利益800万円まで25.5%が15%に軽減

⑤資本金1億円超

事業税について外見標準課税

繰越欠損金の控除制限

つまり資本金が大きくなることで受けられる優遇措置がなくなっていくのです。

 
そこでお勧めなのが資本金500~900万円でまずは設立する。

この結果、均等割りが最低限で、かつ、消費税の申告が必要ないため

消費税の納税の必要がない、というメリットがあります。

そして、未払金や貸付金を使った現物出資増資や利益の資本組み入れ

を活用して増資を実施し、1000万円→3000万円→5000万円と

増資を実施していくのです。

ここで注意が必要なのが、この消費税の申告義務がないということ。

消費税は、企業にとっては取引税のことなのです。

つまり、売上について預かった消費税から、取引で一緒に支払った消費税は、

国にすでに納めた消費税となるため、売上について預かった消費税の方が少ないときは、

納め過ぎの消費税を本来返してもらえるのですが、

申告義務がないと返してもらえないのです。

消費税の申告義務は届出により選択ができるため

開発型のシステム開発などでしばらく売上が上がりにくい場合などは、

この辺も検討が必要となります。